親が宗教にハマった話①

とあデリです。

親が宗教にハマった時の話を

少しずつ書いていこうと思うよ〜。

※宗教を否定するわけでも、勧めるわけでもありません※

私個人の意見としては

宗教は人の心の拠り所として

あっていいものだと思っています。

ただ、頼りすぎて生活や周りの人達との人間関係に

支障をきたすものはどうなんだろうって感じです。



私が小学校高学年の夏休みに家で留守番をしていると

パートに行ってる母がいつもより早く帰ってきた。

母は顔面蒼白で「パパ死んじゃうかもしれない」と私に言った。

どうやら父は仕事中に山で倒れて病院に運ばれたらしい。

程なくして父の会社の人が家に来て

私と母を、父が運ばれた病院に連れて行った。

母があんなに取り乱しているところは初めて見た。

病院に着くと、治療室の前に

父の会社の人が沢山いた。

「奥さん、気をしっかり持ってね」とか

母に声をかけていた。

何時間かして治療室のドアがあいて父と対面した。

父は「死ぬかと思った」と一言だけ言った。

「思ったより元気じゃん」って私は思った。


その時、父は身体中検査しても何も異常が見つからなかった。

しかしそれからというもの、父は何度か具合が悪くなる事が多くなった。

そんな時に親戚が「いい霊媒師を知っている」と紹介してきた。

それから父は毎日のようにその霊媒師の家に通うようになった。

家でも毎日朝と晩、お経をあげるようになり、

大きな数珠を首からさげ、手首にも数珠、

お経の本を持ち歩くようになった。

そしてことあるごとに

「それは霊が憑いてるからだ」

というようになった。

霊を家に連れ込まないようにと

小学生の私にも数珠を持たせるようになった。

私は毎朝仏壇に備えられた数珠をランドセルのポケットにしまい、学校に行き、

帰宅したら数珠を仏壇に戻さなければならなかった。

でも私にはその数珠の価値が分からず、朝に数珠を持って家を出るのを忘れたりもした。

その度に父はひどく怒った。

「お前が数珠を持っていかないで霊を家に連れてくると、その霊が俺に憑いて俺が具合が悪くなる」と言った。


それは中学になっても続いた。

私が中学校で初めての定期試験の前日の日、

父は仕事から帰ってくるなり、玄関に倒れて

泡を吹いてのたうち回った。

苦しむ父を見て救急車を呼んだ。

母は父に付き添って病院へ行った。

「あなたは明日試験なんだから家にいなさい。」と1人家に残された。


今思ってみれば父はその時

パニック障害を患っていたのだと思う。

(私も現在パニック障害である)

息が出来なくなって、身体中が震えて

冷や汗が出て、悶え苦しむ。

でも父はその症状の原因は霊にあり

霊に憑かれることで具合が悪くなると思っていたし、

霊媒師にお祓いをしてもらえば大丈夫だと信じきっていた。


そんな家が私は嫌だった。

だって他の家はお盆にお墓参りをする程度で

毎日仏壇にお経をあげたり

毎週のように土日は霊媒師の家に行ってお祓いを受けたりしないもの。

変な数珠を持たされたりもしないし

それを持ってないと怒られるということもないもの。


でも父のことは好きだった。

父は精神疾患なんだろうと子供でも分かっていた。

だから父の気持ちが楽になるならそれに付き合うしかないと思った。

私はその霊媒師とか、父がやってるおまじないみたいなものが嫌いだったけど

父が信じてるものを悪く言うのも嫌だった。

だからずっと黙ってそれに付き合っていた。