親が宗教にハマった話②

※宗教を否定したり、お勧めするものではありません※


そもそも幽霊を信じるか?という事だが

私は基本的に色んなものにたいして

「そういうのもあるんだろうな」と思っている。

幽霊もいるとは思うし

宇宙人もいるとは思う

妖精や妖怪だっているとは思う

前世や来世もあるとは思う

占いも当たる時はあると思う

ただ私には感じ取れないけど

そういうのを感じ取れる人はいるんだと思う

否定派ではない。

ただそれに固執するものでもないと思っている。


父が何故そんなに霊媒師を信じてしまったのかには理由があった。

最初に父が霊媒師の家に行った時、私も一緒に連れていかれた。

霊媒師は「痩せ型で、目がぎょろっとしてて、、、」と

父に憑いてるという霊の見た目を事細かに伝えてきた。

すると父は、ハッとしたような顔をして

「Aさん(仮名)だ…」と呟いた。

それは父の会社の先輩で、父がお世話になった人で、何年か前に亡くなった人だった。

霊媒師は「そのAさんが、あなたに伝えたい事があるようだ」と続けた。


私には兄がいた。

産まれてすぐに亡くなった兄がいた。

死産だったそうだ。


その兄が、あの世の世界で困っている。

Aさんはあの世で、兄の面倒を見ていて

もっとちゃんと供養してやれと伝えたがってると、霊媒師は言った。


霊媒師の家に行く何日か前に

私は鼻血が止まらずに夜間病院に運ばれた。

喉に流れた血を大量に飲んでしまっていた私は

その血を吐き出して服を全部汚してしまった。

病院で私は服を脱がされ、全裸で顔は血まみれのまま立たされた。


その私の姿があの世での兄の姿だと言われた。

私が鼻血を出して血まみれで衣服も汚して脱がされて

それも、あの世での兄の姿を

父に見せるためだったと言われた。


それは親である父にとってはショックだったのだと思う。

その日のうちに、男の子用の衣服と靴を買い揃えて、霊媒師の家にお供えした。


それから父は毎日のように霊媒師の家に行くようになった。

母はもともと霊感が強い方ではあったが

あまり霊媒師のお祓いに効果は感じられなかったようだ。

でも母も、父の気持ちが楽になるならと

付き合い続けた。


実際のところは私には分からない。

兄があの世で苦しんでいたのかも分からない。

私が鼻血を出して病院に運ばれた事と

それが関係あるのかも分からない。

でも信じる?信じない?って気持ちすら

父には無かったんだと思う。

元気に産んで育てられなかった息子のことを

そう言われたら、それに従うしか無かったんだと思う。


しかしそれからというもの

自宅では家電製品が急に壊れたり

夜に何かを弾くようなパンッという音が聞こえたり

誰かが走り回るような音も聞こえたり

金縛りにもよく合うようになった。

それに対して父も母も当たり前のように

「今日も沢山幽霊が来てるね」と

会話してるのだった。

そんな中で暮らして来た私は

そういうものなのかと思っていた。


霊媒師いわく、一度霊に憑かれた人は

霊媒体質という、霊が憑きやすい状態になるらしい。

うちの家族は全員、霊媒体質だとも言われた。

だからお祓いが必要だと。


私は家を出るまで

「うちは他より少し、お墓参りや先祖の供養に熱心なだけだ。面倒くさいなあ。」

くらいにしか思わなかったが

今思えばそんなレベルではないな〜って思う(笑)